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第17話 今津お台場祭り「ふるさと」と八田さんの夏の左官

前話 第16話「庭で山本さんのBBQ、あつこがやって来た!」のあらすじ

「淀江プロジェクト」第16話・・・2018年の年の瀬クリスマスイブの前日に第1弾がスタートした「淀江プロジェクト」。2019年1月下旬に第2弾、2019年3月下旬に第3弾、2019年5月に第4弾を実施して、片付けから解体へとフェーズが進んでいった。その2か月後の2019年7月1日~7日の1週間で、淀江プロジェクト第5弾を実施。今回はメンバーに先に入ってもらい、仕事の都合で洋子は途中の4日から参戦。BBQマスターの山本さんにも来てもらって、地元の人も交えてダイナミックなBBQを実施。そのBBQも終わりに差し掛かった頃、岡山からあつこがやって来た!その日を境にちょくちょく顔を出すことになった彼女とは一体・・・?

第16話  Yodoe Project Story  第18話


【第17話 今津お台場祭り「ふるさと」と八田さんの夏の左官 のあらすじ】

「淀江プロジェクト」第17話・・・自治会長の鍛冶塚さんから連絡を受けた洋子は、今津集落で毎年開催されている「今津お台場祭り」にゲスト参加でカラオケを歌うことになり、2019年8月、帰省した。家のキッチンスペースは、猛暑の中、八田人造石の八田さんが高い壁の部分を左官してくれていて塞がっていた。小さい頃お世話になった方々が参加されている「お台場祭り」で選んだ曲は唱歌「ふるさと」。移住前から温かく受け入れてくださっているご近所の皆さんに感謝しながら、父母への思いも寄せて歌う洋子の新たな決意とは・・・。

お台場祭りへのお誘い

 2019年4月に今津自治会長の山中さんから地元の懸念を聞いて、翌年春に淀江に拠点を移して、淀江と大阪との二拠点生活を始める決意をして、自治会長さんをはじめとする役員の皆さんや自分が所属する一班の皆さんに説明をした洋子。その洋子のもとに、現自治会長の鍛冶塚さんから,2019年7月のある日、電話がかかってきた。

 「8月25日(日)に、お台場公園(国史跡 鳥取藩台場跡淀江台場跡)で今津集落の『お台場祭り』が開催され、各班がカラオケや劇などの出し物をします。来年帰って来られるという紹介がてら、ゲストとしてカラオケに出られませんか?」

 洋子が小さい頃には、今津運動会(班別対抗)が開催されていたが、その運動会をやらなくなってからお台場祭りに変わったらしい。洋子はお台場祭りには参加したことが無く、どんな祭りか想像がつかなかったのだが、集落の方々が受け入れてくださろうとしているお気持ちがとてもありがたく、お受けすることにした。

 その後、今津集落に住む幼馴染で保育園時代からの同級生 キタノくん(北野秀之さん)から電話がかかってきた。彼はカラオケ機器販売の会社に勤務していて、お台場祭りのときには音響やカラオケの設定などを請け負っているということだった。懐かしい声が電話口から聞こえる。

 「洋子ちゃん、カラオケで何歌う?」 


「青春18切符」で帰省!

 2019年8月24日(土)  洋子は普通列車乗り放題の「青春18切符」を使って、智頭線周りで帰省した。洋子が大学生の頃に発売が開始された「青春18切符(発売当初 青春18のびのび切符)」は、洋子の父母もよく活用して大阪に遊びに来てくれていた。

 洋子も父にその存在を教えてもらった大学生の頃から春夏冬に発売されるたび購入、友達グループであちこち旅をしたりもした。子どもたちとも淀江に帰省した行き帰りには、倉吉や鳥取や岡山などあちこちで途中下車したり、四国へ足を延ばしたり・・・と気ままな旅を一緒に楽しんできた。そんな父母や友人、そして子供たちとの楽しい思い出なども懐かしみながらの帰省となった。


八田さんの夏の左官

2019年7月(第5弾)の淀江プロジェクト時

2019年8月に帰省した時の様子
2019年8月に帰省した時の様子

 

 実家に帰ってみると、前回の第5弾のときにはまだ塞がっていなかった洋室との壁が塞がっていた。エアコンも無くとても暑い中、八田人造石の八田公平さんが知り合いの方と一緒に作業をしてくださったということだった。

 壁土は、元々あった壁を解体したときに出た土をそのまま再利用してくださり、統一感のある塗装となっていた。多くのプロジェクトメンバーの皆さんがいつも一生懸命やってくださったことで、ここまで進んだことを実感し、改めて感謝する洋子。


「ふるさと」

 25日(日)夕方にお台場祭りが始まった。その前にキタノくんサポートの下、マイクテストをさせてもらって一応準備は万端。初めて、屋外の舞台に立って歌を歌う・・・という経験をさせていただいた。歌った曲は唱歌「ふるさと」。

 間奏では、司会をされていた自治会副会長の山中さんが洋子の心情を慮る素敵なナレーションを入れてくださり、集落の皆さんが温かく受け入れようとしてくださっているのをひしひしと感じることができた。

 

兎追ひしかの山、小鮒釣りしかの川、

夢は今もめぐりて、忘れがたき故郷。

如何にいます、父母、恙つつがなしや、友がき、

雨に風につけても、思ひいづる故郷。

こころざしをはたして、いつの日にか歸(かへ)らん、

山はあをき故郷、水は清き故郷。

 

 父母への思いも寄せて歌いながら、来年の5月からは、この故郷も拠点にして、心機一転、洋子を育んでくれたこの地域に恩返しをしながら、楽しく心豊かな人生を送って行こう・・・そんな決意をして、洋子は大阪への帰路についた。



次回 第18話「出張おむすび屋ひとむすび、脩の参戦、勇太朗・庭師になる」のあらすじ

「淀江プロジェクト」第18話・・・2018年の年の瀬クリスマスイブの前日に第1弾がスタートした「淀江プロジェクト」。2019年1月下旬に第2弾、2019年3月下旬に第3弾、2019年5月に第4弾、2019年7月に第5弾を実施して、片付けから解体、そして再生へとフェーズが進んでいった。その2か月後の2019年9月23日(月)~30日(月)の8日間で、新たなメンバーも加わり、淀江プロジェクト第6弾を実施。父の3回忌で先に帰った洋子は皆をおにぎりくんのおむすびで迎え入れた後、24日には仕事の都合で大阪に戻る。食事の賄などを姐さん(サハラクミコさん)に任せ、洋子が大阪で見聞きしたその様子とは・・・。

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