前回 第1話「実家が空き家になった!父母のラブレター」のあらすじ
「淀江プロジェクト」第1話・・・この物語の中心人物 洋子の父が亡くなり、実家が空き家となる。結婚する前の父母のラブレターを発見し、いろんな思い出を振り返る姉弟。これから発生する相続問題、空き家問題はどうするのか、どうなるのか、まだ見当もつかない中で、淀江プロジェクトに繋がる微かな予兆が動き始める。
【第2話 古民家を解体しないと買い手がつかない? のあらすじ】
「淀江プロジェクト」第2話・・・洋子の父の四十九日の法要で家族が実家に集まる。子供たちも含めて、いろんな会話が飛び交う中、実家の処分を検討することに。築90年近く経つ古民家はいくらで売れるのか?それとも売るのは難しいのか?田畑はどうにかできるのか?見積もりを投げかけた不動産屋さんの見解はいかに?
この家、どうする?
2017年10月21日(土)、洋子の父 茂の 四十九日の法要が営まれた。
洋子の家族、そして弟 衆 の家族が一堂に会する。
法要が終わった後、残されていた写真などを見ながら、父母と触れ合った思い出話や近況など、子どもたちも含めて様々な会話が飛び交う中、
「空き家になったこの家、そして田畑はどうする?」
という話題になる。
「葬式の時にも言ったけど、僕は横浜に家があるし、もう淀江には住むつもりは無いけど、よこちゃんはどうする?」
と衆が洋子に投げかけ、洋子がそれに答える。
「本当は10年後くらいには淀江に移り住もうと思っていたけど、もうお世話をしようと思っていたお父さんも居ないし、老後はどうしても淀江じゃなくてもいいかな。息子の義邦も『ここだと僕もなかなか来れないし、もう売ってしまったら?』って言ってたし、衆ちゃんの子供たちも住むつもりがないのであれば、この家を処分することも考えようか?」
まずは「名寄せ帳」と「登記簿謄本」を取得して、現状を把握する!
米子市役所・大山町役場に出向き、「名寄帳」を取得。
宅地 約700㎡ 評価額 約893万円
建物 約200㎡ 評価額 約 50万円
車庫がある宅地 約57㎡ 評価額 約 52万円
車庫の建物 約17㎡ 評価額 約9万円
家の周りの田畑 約1,150㎡ 評価額 約11万円
9号線向かいの田んぼ 約3,500㎡ 評価額 約 46万円
海沿いの田んぼ(大山町) 452㎡ 評価額 約3万円
固定資産税をいくら払っているかも把握し、田舎は土地の評価額が低いこと、田畑が宅地に比べてかなり評価額が低いことも今さらながら知る。また、法務局へ行って、登記簿謄本を取得して、建物が登記されていないことも確認。
「多分、買い手はつかないと思いますよ!」
土地建物の把握ができたところで、インターネットで調べた不動産屋2社に連絡。
1社は、訪問はしてくれたものの、開口一番
「多分、買い手はつかないと思いますよ。」
「若い人は小さくてもきれいな家に住みたいんです。解体が必須です。田畑は宅地にできないと売れそうにありません。」
と言って、何の営業をするでもなく、帰っていった。
もう1社は、姉弟の説明を聞いた後、
「見積もりをしますので、少しお待ちください。田畑についてもどのような形にできるか、調べてみますね。」
ということで、二人がそれぞれ、生活の居である大阪・名古屋に戻った後、メールで見積もりが送られてきた。「9号線向かいの田んぼは、宅地にするには県知事の許可が必要で、なかなか一筋縄ではいかない。」ということも伝えられた。
建物を残す場合 :690万円
建物を壊した場合:870万円(解体費用見積:286万円)
「評価額よりも低くしか売れないんだね。」
「売ってもたったそれだけにしかならないんだね。」
都会と違い、思った以上に評価が低いという現実を目の前に叩きつけられた、姉弟の結論。
「片付けも大変だし、これ位でしか売れないのなら、とりあえず、1周忌までは何もせずにおこうか?」
次回 第3話「相続手続き完了!日本の農業は大丈夫か?」のあらすじ
「淀江プロジェクト」第3話・・・洋子の父が亡くなってから9か月。洋子と弟の衆は相続手続きを終え、税務署に資料を提出する。母が亡くなったとき、また父の生前、こうしておけば良かったのに・・・と悔やむことも。「青地・白地」や「第1種農地・第2種農地」といった言葉にも詳しくなる。日本の農業はこんなことで大丈夫なのか?姉弟でそんな話もしながら、少しこの地域を巡ってみる。さぁ、これからどうする?