「淀江プロジェクト」とは、今津田中家という一軒の古民家を巡る物語である。

鳥取県米子市淀江町今津。

建ってから９０年近く経つ田中家。

この家を相続することになった長女洋子。

洋子は大阪と鳥取を行き来しながら、実家の改装を決意する。

先ず離れをゲストハウスに改修工事したものの、洋子は母屋の使い道を考えあぐねていた。

2018年冬、(大阪の「姐さん」ことサハラクミコの紹介で)ネオ大工野崎将太に出会い、

ここから洋子の運命の歯車は大きく狂っていく。

入れ替わり訪れる謎の若者たち。

そこから何年もかかる工事。

洋子の鳥取への帰郷（移住？）。

人々の交流を妨げる謎の伝染病。

いつになったら工事は完成するのか。

はたまたしないのか。

役割を終えたはずの古民家を巡る大活劇。

人物相関図

登場人物紹介

田中洋子

(Yoko Tanaka)

「淀江プロジェクト」の施主・「今津田中家」の女主。2006年、小企業のIT活用支援・経営コンサルティングを行う株式会社ウォリスを大阪で設立。

2017年9月に父が亡くなって実家が空き家になり、その活用を弟と模索する。プロジェクトが進む中で、Uターンを決意、2020年5月に34年住んだ大阪を離れる。

米子市淀江町出身・大阪在住→米子市Uターン。

サハラクミコ

(姐さん)

サハラ総研（主に頼まれない調査）関西中心に暗躍する好奇心の塊。恩をうって徳を積むスタイルの相談役。ナイスルッキングガイと格闘技が好き。洋子とは、大阪の古いビルを皆でリノベーションしたSALTVALLEYのプロジェクトで知り合い、実家の使い道を考える洋子にしょうきちを紹介。料理の腕前はプロ級、皆の胃袋を掴む。

三重県出身・大阪市在住。

野崎将太

(しょうきち)

大阪・神戸・京都を主な拠点に、店舗・住宅の内装工事等を手がける。建築集団「々」を主宰。文化住宅を舞台にパフォーマンスを行う「前田文化」のメンバー。洋子に「片付けから関わらせてください！長く使える家にしていきましょう。」と提案し、「淀江プロジェクト」がスタートした。プロジェクトリーダー。

大阪箕面市出身・関西の複数拠点在住。

宮原翔太郎

(翔太郎)

空き家を改築しながら全国を旅する集団「パーリー建築」研究の第一人者として全国を放浪した後、鳥取に定住。「喫茶ミラクル」を運営しながら建設業を営む。より理想の建築に近づくため、「令和建設」を立ち上げた。「曇天野外」などのイベントも企画。淀江プロジェクト皆勤賞の記録を唯一ただ一人更新中。

東京生まれ香港育ち→鳥取市浜村在住。

吉田輝子

(てるちゃん)

「キミトデザインスタジオ」代表。住宅店舗の設計施工、古い建物のリノベーション、物件活用コンサルティング、イベントやワークショップの企画・運営を行っている。2歳になった愛娘とうかちゃんは、プロジェクトメンバーの人気者。しょうきちの依頼で許可関連から関わり始め、洋子の住回り全般もきめ細かに支援している。

米子市出身・米子市在住。

森田悟史/河津優平

(もりさと/ゆってぃ)

幼馴染二人で、ヒッチハイクで全国を回り、多くの人と知り合う。その縁でしょうきちとも知り合い、淀江プロジェクトの第１弾から参加。

米子市のまちなか拠点などにも携わり、映像・写真などのコンテンツを作る、こだわりのコーヒーを淹れるなど様々な活動をしている。

米子市出身・米子市在住。

山中文男

(山中さん)

兼業農家で定年退職後も夫婦で農業に従事。牛を飼い、はで掛米を作り、海にも潜る。洋子が雑草だらけの畑で草刈りをしようとしていたところ「草刈りは得意」と言いながらあっという間に対処、その後、奥様がトラクターで畑を耕してくださり、快適な畑ライフが送れるようになった。とても気さくで腰が軽く、作物の植え方や育て方など、様々なアドバイスをくださる頼れる存在。

前田一夫

(前田さん)

洋子の父と一夫さん、洋子の母と奥様がそれぞれ同い年で、両親がとても仲良くしてもらっていたご近所さん。洋子がUターンするまで、空き家になった実家の様子をいつも確認しに来てくださり、草刈りや墓の管理などもやってくださっていた。淀江プロジェクトのメンバーとも仲良しの好々爺。洋子よりも今津田中家の倉庫に何があるかをご存知で、いろいろと教えてもらっている。

大下哲治

(大下さん)

今津田中家のすぐ近くで、メイちゃん農場を経営。ヤギを飼い、ヤギ乳製品(チーズ・ケーキ・ソフトクリームなど)を製造・販売。農場には県外出身の大学生やこれから農業をしたいという若者が多く訪れている。農地を守るため、2020年、米粉「米っ子物語」の商標権を登録。農地の集約・若い就農希望者の育成と雇用の拡大を目指し、米粉の生産・販売の取組みをスタート。