【土・人・生命・・・宮川百姓日記】
春がもう目の前である。
やりたいことが大きく2つある。
1つは、野菜を植えまくる。
百姓としては言うまでもない。
スタンスとしては無農薬栽培。
土と命の大合唱が始まりを告げようとしている。
今年は葉っぱを食べまくる予定である。
2つ目は、ニワトリの飼育である。
今、庭を掘り起こしているのもニワトリ小屋の整備のためである。
ニワトリは多様な価値を持っている。
卵を生むし、肉にもなる、残飯などもエサとしてくれる。フンは肥料にもなる。
物質循環の点から見て、ニワトリは食べ物づくりの重要な役者を演ずるのだ。
ニワトリ・ヒト・虫・菌・草・・・あらゆる役者たちが繰り広げる演劇のなかで、私たちは食料を得、同時に与え、生かし生かされているのである。
そして、ニワトリ飼育には個人的な想いもある。
実は、かつて私が山奥に住んでいたときに、ニワトリを一度飼育をしたことがあったのだ。
しかし、私の不十分な管理のために、獣によって全滅させてしまったのである。
柵の中で逃げることもできず、喰われてしまった彼らに未だに後悔が残っている。
今回こそは、与え与えられるパートナーとして、いきいきと育てたい。
それにしても、木の生命力はすごい。
切り株ではあるが、未だ枝を伸ばし、土の下は強靭な根を張っている。
男一匹とスコップ一本で立ち向かうのは、なんと大変だろう。
まぁこれもまた演劇のワンシーンである。地味ではあるがやってやるぜ。
時間をかけて育った木に、時間をかけて向かい合うのは当然のことなのだろう。
掘り始める。
掘ってみた。
大変。手強い。
全然先が見えない(^o^)
---プロフィール---
宮川卓也
和歌山県出身、鳥取大学農学部卒業。
農学に魅惑され、会社員時代を経て鳥取の東から西までを渡り歩いた男。
ヤギに導かれ、メイちゃん農場のある米子市淀江町今津へ漂着。
いつも考えているのは人類の幸福について。
そしてその幸福の根幹である「食べもの」に向き合う日々を過ごしてきた(つもり笑)。
興味関心の主なものは無農薬栽培と発酵。
今津田中屋では、発酵や栽培を通して、土と人のつながりを感じていただける機会を作ることを目標としている。
人は大地によって生かされている。この実感を人々ともに味わっていきたい。
そこにこそ、人類の幸福があると信じている。