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【第25号】「大山さんのおかげ」を伝えたい!女子大生二人の挑戦 Mimoriプロジェクト

1面

 この号では、大山流域で活動している学生2人(瓦版17号参照)に特集記事をおまかせしました。

Mimoriプロジェクト

 「Mimori」は、かつて山を守り水源を守っていた「水守(みもり)」と呼ばれる人々に由来しています。メンバーは女子大生の二人、松田彩子(まつだ あこ)と坂上萌(さかうえ もえ)で活動しています。私たちは、西日本最高峰・大山(だいせん)の麓を拠点に、先人たちに見えていた世界観を現代に伝える活動を行っています。これまでSNSやプログラムを通じ、多くの方々にその価値観を伝えるトライをしてきました。お水が沢山湧く水資源豊かな大山に暮らしている中で、「山・川・里・海の連環」が失われる事に危機感を持ち始め、水資源の豊かさと密接に関係するお酒造りを通して、水の大切さを伝えていきたいと思う様になりました。この度、「大山さんのおかげ」を伝えるお酒のクラウドファンディングを江府町の大岩酒造さんと共に立ち上げました。私たちの目標は日本中に大山さんを知ってもらい、この地を訪れてもらうことです。そのための活動資金が必要です。どうか応援、よろしくお願いいたします!

自己紹介

 松田彩子(まつだあこ)です。鳥取大山の淀江出身でお庭にお水がだくだくと湧くお家に生まれました。そして途上国支援で有名なイギリスのサセックス大学に進学しました。イギリスで生活する中、「日本とは、私とは何か」という問いを持ちました。そのときにいつも思い出すのはお庭に湧くお水の風景で、何か地元の大山に自分のルーツのヒントがあるのではないかと思い戻っていた所、Bisui Daisenのみなさんと出会い、これだ!!!と休学を決意。大山さんに残る自然構造、先人達の足跡を紐解き伝えるトライをさせていただいています。

 

 坂上萌(さかうえもえ)です。兵庫県出身で京都工芸繊維大学院の学生です。私が大山とご縁を頂いたのは、2023年5月に開催された第1回プラネタリーヘルス・ツーリズムに参加したことからです。帰郷してからもあの体験が忘れられず、現在、大山流域に戻ってきて滞在しています。

「出雲流域積層絵圖」作りに携わって

 私たちが最初に参加したのは、「出雲流域積層絵図」手ぬぐいの制作プロジェクトでした。

 出雲エリアは、大陸からやってくる様々な人々、技術、文化、信仰を持ってこの地にやってくる玄関口の一つであったと言われています。かつての渡来の民にはこの地がどのように見えていたのか?

 また1000年以上たたら製鉄が行われてきた場所です。最盛期にはこの国の鉄の生産のおよそ半分を占めていました。山を切り崩しながら砂鉄をとり、森林を伐採して炭を作るその製法は、河口部の海を埋め尽くし、山々をハゲ山にしてしまう規模だったはずですが、今も大山をはじめとした山陰地方の山々には深い森が残っています。

 どのようにたたらをした後のハゲ山の森林の回復速度を高めることができたのできたのか?

 半年間かけて沢山のフィールドワークにいかせてもらい、そこから気づいたことがあります。


2面

「水はどこから来るのか?」

 大山の美味しい水は、豊かなブナ林が育み、それは目に見えない微生物が支えているということ。そしてそれに先人たちが気づいていたということ。冬の寒気団が大量の雪を降らせて、その降雪が春にかけてゆっくりと解けて、地中に浸透していき、森の木々の呼吸と微生物に働きによって、大山さんの地下から、30年かけて里にも海の中からもミネラルたっぷりの水が湧いています。それが里や山の幸、海の幸を育みます。微生物や水の循環といった目に見えないものを含めて「大山さん」であり、それに生かされていると、先人たちにわかっていたとしたら?そんな人たちが、山に手をいれ、今でも水が沸き続けているのだとしたらすごい知恵がここにあったんだと思います。これを伝えたくて「水と共にある暮らし」と「大山さんのおかげ」を伝える発信をインスタグラムで始めたら半年間で5400人にフォロワーが増えました。ある動画は148万回再生されました。

「大山さんのおかげ」を伝えたい!

 この地には「大山さんのおかげ」というこの土地をあらわす言葉が残っています。「台風の被害が少ないのも大山さんのおかげ」「水がおいしいのも大山さんのおかげ」「お米がおいしいのも、お酒がおいしいのも大山さんのおかげ」全ての恵みは大山さんのおかげなんだ。プラネタリーヘルス・ツーリズムの参加者の方々は大山さんの圧倒的な水量に頭の先から足の先まで浸し、半径3キロ圏内大山さんのおかげで作られる食事をとります。すると、年齢、性別、国籍、職能に関係なく、皆さん一様に変容し、「大山さんのおかげ」、「大山さんに生かされているんだ!」と言って喜んで帰られる。海外の方も「Because of Daisen-san」と言ってくださいます。Mimoriプロジェクトは今後も発信や食、プログラムを通して「大山さんのおかげ」を届けていきたいと思っています。

Mimoriの活動を応援してください! クラウドファンディング実施中!

 神話の時代から続くこの地域で水が湧き続けるのは、大山さんに感謝をして先人たちが山に手を入れ、水を守ってきたからです。今、私たちの暮らす自然環境や人の暮らしは変化しています。蛇口を撚れば水が出る今こそ、水の大切さを伝えたい。このお水を未来に繋いでいくため、この度大岩酒造さんと「水守」 というお酒を届けるクラウドファンディングを立ち上げました。お酒は各地域の森、土、水の豊かさの結晶です。

 私たちの目標は日本中に大山さんを知ってもらい、この地を訪れてもらうことです。そのためのお酒「水守」の企画、webサイトの構築、発信等の活動資金300万円が必要です。

 どうか応援よろしくお願いいたします!


3面

これからの活動を見つめ直す旅

 淀江の宿今津田中家のオーナー田中洋子は、この4月からは、30年弱行ってきた「小企業への個別支援業務」から退き、旅行業・宿泊業に力を入れていこうと考えています。2月上旬、自身の見つめ直しも兼ねて、仕事兼プライベートで大阪~東京~沖縄を旅してきました。仕事では、ジャパントラベルのDavideさん(インバウンドツアーの打合せ)、官僚サイクリストで内閣官房内閣参事官 金籠史彦さん(淀江サイクルカーニバルの相談)、淀江出身で東大の水研究チームを淀江に誘致された勝部日出男さん(淀江振興の相談)などとお会いして、有意義な時間を過ごすことが出来ました。

 

 

沖縄 ミチシルベ 共創プログラム

 ・ミチシルベ 共創プログラム By ミチシルベ2025実行委員会

 UTAKI dialog わたしと自然と神様と日本の在来信仰コスモロジー

 

2025年2月7日(金) 、一般社団法人Bisui Daisenの代表理事大原徹さんが沖縄でスピーカーとして登壇しました。

 

【スピーカー】

・早坂 賀道 氏 from 北海道 上川アイヌ

・Wesley keppel-Henry氏 from 山形県 出羽三山

・岡野 春樹 氏from 岐阜県 郡上白山

・片山 文恵 氏from 奈良県 吉野山・群馬県 妙義山

・大原 徹 氏 from 鳥取県 大山

・仲本 いつ美 氏from 沖縄県 やんばる

【モデレーター】浅倉 彩 氏

編集者・プロデューサー / UTAKI dialog発起人

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4面


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淀江の宿今津田中家 瓦版25号 A4 4P
1P・2P 「大山さんのおかげ」を伝えたい!女子大生二人の挑戦、Mimoriプロジェクト ・3P これからの活動を見つめ直す旅/日替わり店長カフェ/2025年年会員募集!、4P淀江プロジェクト物語 第24話
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淀江の宿今津田中家 瓦版25号 A3 二つ折り
1P・2P 「大山さんのおかげ」を伝えたい!女子大生二人の挑戦、Mimoriプロジェクト ・3P これからの活動を見つめ直す旅/日替わり店長カフェ/2025年年会員募集!、4P淀江プロジェクト物語 第24話
瓦版25号202504A3.pdf
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